本文へ移動
静岡県かなり、
沿岸漁業振興えます。
令和5年9月
2023-09-22
キャンプと遠洋漁業
キャンプする人が増えています。
私にはキャンプの楽しさって、全然ピンときません。
自宅やホテルに泊まる方が快適なのに。

ところで遠洋漁業ですが、大変な世界です。
大儲けができたのは、昔の話。
長期間、船の上だし、勤務時間や休日がしっかり決まっていることもなく。
でも、この生活が好きな人もいます。

人混みから隔離されるのはキャンプと同じかもしれません。
また、昔より快適になってきています。
水がたくさん使えたり、船内WiFiがあったり。

キャンプが好きな人は、遠洋漁業にはまるかも知れません。
一泊二日で体験するってわけにはいきませんけど。
未だに新たな発見があるのは?
今年の放流事業では、いろいろな発見がありました。
私自体は3年目の仕事ですが、放流は何十年も前から行われてきたことです。
なんで、今になって・・・と外部の方は思うかもしれませんね。

これは放流事業が完成された技術によって行わていないことが原因です。
残念ながら、これが実態。

・・・なんですが、これが分かってもらえない。
別に本県だけの状況ではありませんが、
 何十年も何やっているの
 放流する意味あるの
なーんて、言われてしまいそうで積極的に言えない背景もあります。
令和5年8月
2023-08-25
中間育成の反省会 2
餌の量は研究所の担当者が魚の大きさや尾数から計算して、飼育担当者に指示します。
しかし1ヶ所だけ、養殖業者が世話をしている地区があり、そこでは飼育担当の養殖者が魚の様子を見て餌の量を決めます。

養殖業者がやっていた餌は他地区の2倍でした!
成長も全然違いました。

これが意味することは...
研究所の担当者は餌の量について、再吟味することになりました。


中間育成の反省会 1
マダイの放流が終わり、指導担当者の反省会を行いました。
指導担当者というのは、県研究所の人たち。
5ヶ所の中間育成場があり、4人の担当者がいます。
これまで、担当者間での意見交換が行われておらず、今年が初めての反省会です。

さて、マダイの中間育成で歩留まり(生き残り)が悪くなる原因は主に2つ。
 病気 あるいは 餌
です。

特に餌が少ないと、共食いで歩留まりが悪化します。
病気であれば死んだ魚がいるのでわかりますが、共食いはわかりにくいのが難点です。
そして今回、餌でわかったことがあります。
放流方法の全般で
この計測方法、30年以上ずっと同じです。
でも、魚をカウントする方法も日々開発されているので、10年後は機械化されていると思います。

かなり「おおざっぱ」な放流尾数の把握ですが、だからと言ってやらないよりは全然マシ。
数字を残すことが大事です。

そして、海面での中間育成が漁師や漁協の減少で難しくなっています。
すでに神奈川県では中間育成を省略しています。

放流尾数のカウントだけでなく、放流方法も新技術が必要になっています。
放流尾数の計測
マダイの放流尾数は、一匹ずつ数えることが困難です。

やろうと思えばできます。
人がカチカチと、1分に100尾数えるとして、20万尾だと2000分。
33時間以上かかります。
4人なら8時間、8人なら4時間です。
休憩を入れると、この倍くらいの時間でしょうか。
この「1分に100尾」は熟練した人。
初めてだと、この何倍もかかります。
・・・だから、やろうと思いません。

そこで、魚の総重量を計測して、平均体重で割る方式を取ります。
これでも半日かかりますが、なんとかなります。

ここで問題になるのが、数字の信頼性。
魚の重量は、5kgくらいずつカゴに乗せ、アナログの台秤(だいばかり)で計測します。
カゴなので水は抜けますが、完全に抜けるのを待つと魚が死にます。
くわえて、水がなくなり魚があばれます。
秤の針がピタッととまることはありません。
これを、えいやっと読みます。「4.8キロ」とか。
この作業を1イケスで何十回もやって総重量が出ます。

今度は平均体重です。
約1キロの魚をバケツに移し、尾数を数えます。
この作業をイケスごとに「はじめ、中、終わり」の3回行います。
なぜ3回かと言えば、経験上、始めと終わりで平均体重が変わるからです。
それでも、3回の結果が近ければ良いのですが、ばらつきが大きいことも少なくありません。

こんな状況ですが、得られた総重量を平均体重で割ります。
ここで有効数字が登場。
最も低い有効数字(ケタ数)にあわせます。
このようなやり方では、どう見ても有効数字(信頼できる桁数)は2桁です。
万単位でしか信頼できそうな数字は得られません。
しかも、平均体重を計るときの1キロは、限りなく0.9キロと言った1桁に近い数字です。

せめて平均体重だけでも、魚を持ち帰って、精密に計れば有効数字2桁のなかでも正確になると思うんですけどね。
稚魚放流体験イベントをお手伝い
7月21日にネッツトヨタ静岡さんが主宰する放流体験イベントに参加しました。
https://bokumachi.netz-shizuoka.net/save-cat/%ef%bc%97-23-%e7%9c%9f%e9%af%9b%e7%a8%9a%e9%ad%9a%e6%94%be%e6%b5%81%e8%a6%aa%e5%ad%90%e4%bd%93%e9%a8%93%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e3%82%92%e5%ae%9f%e6%96%bd%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97
ネッツさんは放流協力金をいただいてる関係でのお手伝いです。
30分ほど栽培漁業の説明と、会場イケスで現場のご案内、マダイの体長測定などをやりました。
なかにはマダイを手でつかむのが苦手な子もいました。
女の子の方が元気だったかな。

小学校などで、栽培漁業に限らず水産の話をご希望の場合は、県庁に相談すると職員を派遣して出前授業をやってくれます。
もちろん、無料です。
マダイの放流が終わりました
今年のマダイの放流が7月までに終了しました。
県内5カ所で中間育成を行っていますが、超高成績。
例年、中間育成の歩留まりは良くて7割くらいですが、3か所でほとんど10割の生き残りがありました。
厳密には10割ではありませんが、もはや測定誤差の範疇でした。
残念ながら2カ所は病気があって例年並みとなりました。
さて、この要因をこれから研究所の職員と分析です。
あきらかなのは、温水利用研究センター沼津分場で生産した種苗が素晴らしかったこと。
沖出しの時点で、そのできの良さは分かっていましたが、まさかここまでとは・・・
マダイの栽培漁業が始まって、何十年もたちますが、まだまだ技術が完成していないことの裏返しでしょうか?
令和5年6月
2023-06-20
沖出し終了!
昨日までに県内三カ所でのマダイの沖出しが終了しました。
台風による日程変更があったものの、それ以外は順調に推移。
特に温水利用研究センターの沼津分場では高品質の種苗を作ってくれました。
種苗生産にマニュアルはあるものの、未だに担当者の技量によるところが大きいのが現実です。
海水を使っているため、海の状況にも左右されます。

悲しいですがマダイに限っても、技術が完成されているとは言えない状況です。
いやいや・・・
ごめんなさい。
5月は1回しか更新しませんでした・・・
さて今週からマダイの沖出しが始まっています。
明日も沼津で沖出しの予定でしたが天候不良で来週になってしまいました。
私が引き継いでから、初めての順延です。
今日の午前中は、その調整でワラワラでした。

ところで、マダイが放流されたものであるかを鼻孔隔皮欠損という、鼻の穴の状態で見分けます。
https://fish-exp.pref.shizuoka.jp/izu/0006/341/341-10.pdf
なぜ、天然のマダイと人工種苗で違いがあるのか???と言うのは良く分かっていません。
私が想像するに、人工種苗は餌の豊富な環境でグングン成長します。
そのため、急激に大きくなるために天然魚と体のつくりが細かいところで異なってしまうことが原因では?と思っています。
成長を遅くすれば確認できるんですけどね。
ただし、マダイは十分に餌をやらないと、共食いでどんどん減るので、事業規模では確認が難しいところです。
鼻孔隔皮欠損になる理由をご存じの方は教えて下さい。
令和5年5月
2023-05-09
いよいよ・・・
さて5月になりました。
いよいよ今年の放流事業がスタートです。
放流用のマダイ稚魚は、まだ種苗センターの屋内池で生産中ですが順調に育っています。

放流事業の流れをご紹介します。
1 地域協議会の開催
 4月の下旬から5月にかけて、伊豆、中部、榛南での各地域協議会を開催します。
 会員(漁協、市町)に昨年の決算報告と、今年の事業案を承認してもらいます。
2 担当者打合せ会
 中間育成について打合せ会を行います。
3 中間育成
 5月下旬から6月中旬にかけて稚魚の「沖出し」を行い、中間育成が始まります。
4 放流
 7月から8月に6cm以上に育ったマダイを各地に放流。
 放流直前に尾数を数え、体長測定や鼻孔隔皮欠損を調べます。
5 地域協議会
 秋に放流結果の速報を各地域協議会で行います。
 担当者レベルの幹事会で行うこともあります。

当法人は、各協議会の事務局となっていて、上の1~6を仕切らなくてはなりません。
このため、8月までは現場に出ることが多く、不在も多くなります。
令和5年4月
2023-04-28
漁協や漁業者は騙しやすい?
ある漁協の方から相談がありました。
「磯焼けで海藻がなくなり、困っている。
海藻が良く生えるコンクリートブロックの売込みがあった。
効果があるか?」
と言う内容です。

磯焼けが起きているのは、海藻が育ちにくい状況になっているからです。
その原因をそのままに海藻を育てるのはメチャクチャ大変。
私の知る限り効果のあるものはないし、しっかりした根拠(データ)もないものがほとんど。

でも、漁協や漁業者を狙って、売込みをする業者が多いのが実態です。
話はコンクリートブロックだけでなく、いろいろあります。

振込め詐欺もそうですが、こんな業者に引っかからない対策は簡単。
相談すること。
県の水産研究所に聞けば、怪しい話か判断してくれます。
でも、研究所に相談せずに、話を進めちゃうことが多いのが実態。
タダで相談に乗ってくれるんですから、ぜひ利用して欲しいです。
漁業協同組合の役割
漁協の役割です。
信用事業・共済事業・販売事業・指導事業。
(出典 www.homemate-research-finance.com/useful/16450_finan_011/)

信用事業は大きく統合され、ほとんどの漁協がやっていません。

他の事業もそれほど・・・なんですが、一番大事なのは販売事業。
離島でもない限り、必要なものは漁協以外からも入手できます。
が、例外なのは氷です。

多くの漁船は出漁前に漁協の製氷所で氷を買います。
場所にもよりますが、他の入手先はほとんどありません。
この部分は農業と違う、漁業だけの事情です。

また、多くの漁業者は所属漁協の市場に水揚げします。
ただ、いろいろ例外があります。
大川お茶まつり
新年度が始まりました。
ところで、昨日は「大川お茶まつり」に行ってきました。
http://ookawa-ocya-matsuri.org/
奥藁科って場所ですが、静岡市内でも山間部です。
祭りと言っても、メイン会場があるわけでもなく、お茶会の場所が点在です。
しかも、それぞれが何キロも離れています!

そのなかでも最奥部にある「小さな茶農家 お茶の森」に行きました。
森と言うのは農家のお名前です。

車一台がようやく通れる山道をスクーターでひたすら上りました。
ガードレールがない場所が多いし、道に小石や砂があり、怖かったです。
で、ようやくついた場所は標高600m!でした。
ちなみに、グーグルマップでどんな場所か分かります。

そこで、森さんの作った2種類のお茶を飲んで帰ってきました。
いや、なかなかの体験でした・・・・

しかし、お茶農家も単に茶畑を営むのではなく、独自ブランドで製茶を作る時代なんですね。
ただ魚を捕るだけではやっていけない漁業と同じです。
令和5年1月
2023-01-31
⑥海業3
観光漁業に近いのが遊漁船です。
漁師でない人が釣りを目的に船に乗って、魚釣りを楽しむやつです。
遊漁船と漁業の兼業も多く、漁師の収入を支えている側面があります。
遊漁は漁村の経済を支えています。
しかし、問題もあります。

放流マダイは漁業の何倍も遊漁で捕られていると言われています。
釣りをする人は漁師も同じですが、とにかくたくさん釣りたい。
一人で何十匹もマダイを釣ることもあります。
もはやレジャーの範疇を超えているのでは?

これが漁業体験なら解決。
魚をたくさん捕るより、経験を目的にしています。
首都圏から近い本県のロケーションを考えると、もっと漁業体験を広げたいですね。
⑤海業2
て、海業の続き。
静岡県は沿岸が長く、漁業も様々なので漁業体験もバラエティーに富んだものができそうです。
実はすでに観光漁業的なものはあります。

浜名湖 雄踏たきや漁 takiyaryou.jp
は水中灯を舳先(へさき)にともし、銛で魚を突くもの。
捕れた魚を筏の上で食べることができます。

同じく楽しそうなのが
トビウオすくい toi-annai.com/annual_event/トビウオすくい/
海上を滑空するトビウオをたも網で捕まえます。

ただ、こんな特別なことでなくてもキンメダイ漁やサクラエビ、シラス漁も見ているだけで楽しいと思います。
シラスは朝から昼にかけて操業だし、生シラスも堪能できます。
海業
明るいことも書かないといけないですね・・・

昨日は研修会で水産庁が進める「海業」の話を聞いてきました。
海業とは「
 漁村の人々が、地域資源の価値や魅力を活用して所得機会の増大等を図るの取り組み」です。
 今までもあった養殖業もそうですし、最近では水産物直売所・食堂、漁業体験などが行われています。

 さて、この中で「漁業体験」。
 私の感覚では「お金を出してまで漁業?」と思いますが、それが間違い。
 これがレジャーとして成立するんですね。

 私はオートバイに乗りますが、乗らない人にとってオートバイは
「夏は暑く、冬は寒い。雨に濡れるし、転ぶ」
と良い点はほとんどありません。移動の手段としてはデメリットばかりです。
しかし、私以外にも多くの人がお金を出してまでオートバイに乗ります。
実用面ではともかく、今の世の中でも、多くの需要があります。

 しかし、オートバイにしても売れる機種と売れない機種があります。
 売れる漁業体験とはどんなものでしょう?
③士気の低下
ロシアのウクライナ侵攻以来、耳慣れない言葉をよく聞きます。
鹵獲(ろかく)、要衝(ようしょう)、そして士気。
士気が低いと、なかなか戦果を挙げることができません。

水産業界も士気が上がりにくい状況です。
何十年も前から、ジワジワと厳しくなった資源の低下による水揚げ減少。
水揚げが減っても変わらない魚価(浜値)。
後継者不足と漁村の過疎化。
燃油や電気代の高騰。
漁師も漁協職員も、これでは士気が上がりません。

私が思う、一番の問題は人材難。
お金を出してでも、業界外からスカウトするべきと思いますがいかがでしょうか。
明るい題材が無ければ士気が上がりません。


②毎日食べると飽きる?
年末に帰省した息子が紅鮭(半身)の塩漬けを持ってきてくれました。
新巻き鮭みたいなやつです。
持ってきた本人が「毎日食べると飽きる」と言っていました。
まあ、そうですよね。

ところが、漁師は毎日同じ魚を食べることが珍しくありません。
そのくらい魚が好きです。
東北などでサケをとる定置網では、毎朝、サケの塩焼きを食べることがあります。
カツオの一本釣り船では、毎食、カツオの刺身を食べることも。
他に食べるものが無いわけではありませんが、飽きずに魚を食べます。

調査船での仕事をしていたときです。
船員は元漁師なので、魚が好き。
たまに昼食用の魚が買えないと大騒ぎでした。
カレーの時でさえ、刺身がついていました...
①大間のマグロの功罪 1/5
毎年、マスコミに大きく取り上げられるマグロの初セリ。
212キロの大間マグロが1キロあたり17万円になる3604万円で落札され、一番マグロを獲得。
去年の最高値1688万円を2000万円近く上回ったそうです。

この状況は、業界にとってメリット、デメリットがあります。
メリットは漁師の仕事が紹介され、漁師になりたい人が増えました。
漁業学園にいた時に、志望理由として大間のマグロのテレビを見た人がいました。
また、水揚げ魚に高い値段がつくのも良いことです。

しかし、デメリットの方が多い気がします。
まず、マグロ漁の誤解。
マグロのほとんどは遠洋はえ縄で漁獲されます。
1航海が半年から2年となる過酷なものです。
テレビを見た人は、マグロ漁は沿岸だけで行われると勘違いします。

そして、大間産のマグロは津軽海峡が漁場です。
同じ漁場のマグロは、北海道などでも漁獲されます。
大間より良いマグロが水揚げされることもあるはず。
大間以外の水揚げ地にとって、大間産だけ特別扱いなのはどうなんでしょう?

また、実際には過疎化が進む大間。
今の特別扱いもいつまで続くのか。その後はどうなるのか。
みなさんはどう思いますか?
令和5年3月
2023-03-28
②法人化(漁師の集合体のメリット)
、いろいろ良さそうなことがあります。
まず、各自が漁船を持つ必要がなくなります。
漁船を供用により、漁業経営の多くを占める船関連の経費が削減されます。

分業化も可能です。
今は一人一人の漁師が漁労作業も、経営も、漁協の活動もしています。
分業で、経営に力を入れることができるかもしれません。
後継者の育成も楽になります。
①沿岸漁業の法人化
気がついたら、3月になって全然更新していませんでした・・・

沿岸漁業は資源の減少、漁師の減少、資材の高騰などで風前の灯火です。
この状況が改善される予想をするのは困難です。

ところで、静岡市内でも商店街の多くは寂れています。
個人商店がアマゾンなどの巨大資本に立ち向かうのは厳しいです。

でも、同じネット通販でも楽天は色々な店、会社の集合体です。
たくさん集まれば力を持てます。

沿岸漁業も楽天のような集合体(もしくは合弁会社など法人化)はできないでしょうか。
漁業者一人では難しいことも、解決できることがたくさんある気がします。
令和5年2月
2023-02-22
②増えるサーモン養殖
業界新聞に新規のサーモン養殖の話がひんぱんに掲載されます。
静岡県は富士山の地下水を使ったニジマス養殖が盛んです。
淡水で飼育したのがニジマス、海水で飼育したのがサーモンと呼ばれます。
そして増えてるのが陸上での海水飼育です。
海水で飼育すると成長も速いし、脂ものります。
ですから、既存の養殖業者は圧倒的に不利になります。
しかし、陸上の海水養殖はコストがかかります。
果たして輸入サーモンより安く生産できるのか?

ニジマスもサーモンと違った味わいがあるんですけどね。
①高学歴化
卒業式のシーズンとなりました。

高齢の漁師は多くが中学卒です。
一部のエリートが水産高校卒で、現在の漁協の組合長の方たちです。
水産高校は県内に1校なので、漁村から水産高校に進学するのは大変でした。

いまや高校進学は当たり前。
そして大学進学も少なくありません。
しかし、何ごとも良い面と悪い面があります。

以前、仕事の先輩がこんなことを言っていました。
「自分の地元(茶農家が多い)では、子供が高学歴な家ほど不幸。
 良い大学に行けば、地元に帰ってこない。
 できの悪い悪い息子は家にいて親の面倒をみる」
・・・

こんなことが漁村でも起きていると思います。
放流事業を進めるにあたって
2022-10-03
協力金の贈呈式
昨年に続き、ネッツトヨタ静岡さまから栽培漁業の協力金をいただきました。
写真は9月30日、静岡県温水利用研究センターで行った贈呈式です。
感謝状を持っているのが、梨本社長。
目録を持っているのが、当法人の薮田理事長です。
https://bokumachi.netz-shizuoka.net/save-cat/%e6%a0%bd%e5%9f%b9%e6%bc%81%e6%a5%ad%e5%8d%94%e5%8a%9b%e9%87%91%e8%b4%88%e5%91%88

東京のフレンチレストランのオーナーシェフの方もマダイ募金に協力をいただいています。
https://restaurantnemo.net
漁業者や漁協で栽培漁業を支えるのが、大変になってきていますが、温かいご支援をいただき、うれしい限りです。
愚痴半分の雑感
2022-12-28
⑩今年最後の
実は今年から年末休みが1日増え、役所と同じで28日が最終日となりました。
今年は、諸物価の値上げが業界を直撃。
大型の冷蔵施設や製氷を抱える各漁協は電気代の高騰が死活問題となっています。
すぐに解決は難しいので、来年も引き続き大変なことになりそうです。
当法人も、業界も、世の中も厳しい話ばかりですが、前を向かないといけませんね!
日本さかな専門学校
・・・って学校が隣県にできました。
将来の「さかなくん」を育てる学校のようです。
「さかなくん」が高校卒業時に、この学校があったらきっと入学していたでしょう。
入学定員以上の応募があったようです。
私の勤めていた漁師の学校(漁業学園)は学費が無料でしたが、
この学校は一般の私立大学や、専門学校と同じくらいの学費が必要です。
となると、行ける人は限られているかな。
まだ、入学者を募集しているようですよ。
ちなみに、東京駅から電車とバスで2時間のようです。
日本さかな専門学校 https://www.sakana-n.jp
明るい話題がない
先日、当法人のOB(前前任者)が立ち寄ってくれました。
まだ業界に絡むお仕事がときどきあり、その帰りでした。
話題は「業界で明るい話題がない」と言うことでした。
天然の魚に大きく依存している業界なので、資源の減少で魚が捕れないことは大きなダメージです。
唯一、サクラエビは昨年より増えているようですが、かつての漁獲量には遠く及びません。
水揚げが減れば魚価が上がるはずですが、それもありません。
収入も減ります。
収入が減れば漁業者が減り、漁村の過疎化が加速します。
漁師も高齢者ばかりになり、新しいことを始めるのも難しい状況です。
なにか打つ手は?
①1-2-3
仕事に関係ないコメント集を作っています。
ハガキで届いた数10人の近況をWordに入力です。
ハガキですから、書ける字数は限度がありますが、ところがどっこい。
わざわざ、小さい字でプリントしたものを張り付けてくる人がいます。
老眼で読むのも大変です。
1つの文も長いので、さらに読みにくい。

私が漁師の学校にいたとき、生徒に話す言葉は短くするのを心掛けました。
入学式、卒業式のスピーチでも1分に納めます。
1つの文も短く。

水産高校の卒業式に出席しましたが、校長の祝辞が10分以上。
「皆さんに言いたいことが3つあります」
・・・一つにしぼれよ!
と思いながら聞いていました。

さて、スピーチでも文書作成でも、心掛けたことがあります。
 スピーチなら1分ベスト、2分ベター、3分マックス
 文なら1行ベスト、2行ベター、3行マックス

相手の負担を考えれば、短くすべきですよね。
②栽培漁業の黒船
飼料代の高騰が止まりません。
天然の魚が減っているのに、養殖で使う飼料は天然魚を主原料しているからです。
これにウクライナ侵攻や円安が追い打ちです。

このまま餌代が高くなり続けると、栽培漁業(養殖も)はできなくなりそうです。
グラフは家畜用の飼料ですが、養殖用も同じ状況です。
栽培漁業も経費の半分は餌代ですから。

③ファクス送信のミステリー
ローテクな当法人ではファックスを多用しています。
相手が漁協や役場なので、ファックスが一番確実に見てもらえるからです。
パソコンからデータをファックス複合機に送るので、一斉送信も簡単です。
ところが・・・

ある漁協へのファクスが、近隣のお店に送信されることが起きました。
登録している漁協のファクス番号を確認しても間違いがありません。
しかし、これが再び発生。
いったいなぜ?

当法人の有能な職員が通信監理レポートを分析して、近隣のお店に確かに送信されているのを確認。
その番号は、漁協の地域にある役場のファクス番号と1違い。
漁協宛てのファクスでなく、役場宛てのものが、近隣のお店に送信されてたのでした。
ファクス番号の入力違いで、別のファクスに送られることはめったにありません。
しかも漁協のすぐ近く。

改めて、役場と漁協に送信したところ、無事に受信を確認しました。
あれ?今まで漁協が受信できていなかったのに?
結果オーライですが、謎は残ります。
④漁業者交流大会
漁業者交流大会に出席するため、用宗公民館に行ってきました。
以前は青年漁業者実績発表大会として、各漁協の青年部活動を発表する場でした。
そして、青年漁業者が減り、青壮年となりました。
発表も少なくなったことから交流大会となりました。
それでも、3課題くらいの発表があり、最優秀者は全国大会に出場するため、発表地区からは応援団として漁師が多数来場。
このため、大ホールがある会場で開催されてきました。

今年の課題発表は1つだけ。
こうなると応援団も少なく、公民館でやれるくらいの来場者となってしまいました。
寂しいですが、毎年実施してきたこの会も継続できたのは良かった。
かなり以前から、毎年開催するのは困難な状況に陥っていました。

果たして来年は開催できるのでしょうか?
⑤電気と漁業
滅多にありませんが、あると困るのが停電。
9月末の台風15号で、私の地域は半日停電。
現代の生活は電気がないと多くのことに支障が出ます。

漁業も陸上施設は、製氷や冷蔵庫など電気を使うものが多くあります。
では、漁船は?
最近の漁船はソナーにレーダー、GPSに無線と電気製品が多数です。
海の上に電線はないので、船には発電機があります。

メインエンジン(主機)で発電したり、船によっては主機とは別の発電機を装備しています。
もし、発電ができなくなると「えらいこっちゃ」です。
GPSが動かないと、帰港も大変。
また沖合や遠洋漁船では船に保管している魚や食料が腐ります。

救難信号を出す装置があるので、遭難の可能性は少ないですが、
電気がないと漁業もできないというお話でした。
⑥公益法人の連絡会議
茨城県から三重県までの、公益法人の連絡会がありました。
当法人が開催の当番でしたが、この2年間、コロナで中止していました。
今回、リモート参加併用で会議を開催でき、肩の荷が下りた思いです。
多くの県では、栽培漁業を外部の法人に担わせています。
当法人は種苗生産後の中間育成から放流までのおこなっていますが、他県では種苗生産も行っていることが多いです。

この会議では、各法人の実情を紹介して情報交換しています。
低金利で運営が楽ではないのは、どこも同じですが、債券の積極的な運用を行っているところは少ない感じでした。
・・・ってことは余裕があるのかも。

そして、当法人の職員2名と言うのは、最小であることがわかりました!

⑦千葉県の海
先週、キャンペーンを利用して千葉県を訪問しました。
房総半島は伊豆半島と同じで、平地は沿岸部だけで狭く、ほとんどが山です。
しかし、高い山が少なく、しかも標高がそろっていました。
おかげで、あまり高くないところでも、遠くの山並みまで見ることができました。

せっかくなので、保田と勝浦の漁協直営食堂に行きました。
特に保田の「ばんや」は漁協食堂のはしりです。
後追いの漁協食堂が目標にする存在です。
平日でしたが、なかなかの繁盛でした。

さて、久しぶりに千葉の海を見ました。
千葉は内房も外房も砂浜ですが、伊豆は砂浜だったり、岩礁だったり。
景色も魚も変化に富んでいると思いました。
千葉は東京の臨県というのが優位なんでしょうね。
伊豆もがんばらないと!
TOPへ戻る